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氣という概念があるが、現代医学および獣医学では、その言葉の使用は表向きでは禁忌とされているような印象がある。それは、そんな非科学的なものに頼っていては、”負け”だという声も聞こえてきそうな雰囲気でもある。

 

 

でも、原子の分野ではサムシング・グレートと呼ばれているように僕らの体は、そして、当院で対象にしている犬や猫の体にもATGCというたった4文字の遺伝子コードを用いて、奇跡的な仕組みで文字通り”生きて”いる。

 

 

先日、新病院の棟上げに忙しい合間をぬって、立ち会わせてもらった。棟梁の乾杯の発生後、それぞれに振る舞われたお神酒に一口付けた職人さんはそれぞれの想いで、残りのお神酒をそれぞれの仕事道具にかけていったのだ。高いところに上るであろう職人さんは自身の足袋に、釘をたくさん打つであろう職人さんは自分の金槌に。それはやはり、道具に自分の”氣”を乗せるという自然な動きに見えた。

 

 

最近の医療は、獣医療も同様に、感染症予防対策のため、ディスポーザル(単回使用)のものが多くなってきた。金槌や足袋のように使いなじむ前にそれは、廃棄されてしまう。では、何に氣をいれたらいいのだろう?使い慣れた道具というものは存在しなくなってきている。たくさんのツラい事を共に経験してきた道具というのが少ないわけだ。そういう時、大事な局面において、唯一信じられるのは自分の手指であり、そこから発せられる”氣”は非常に強力で優しいものでなくてはならない。命を預かる以上、日頃から”氣を練って”おく必要がある。自身を内観し、利他の精神を捲まず撓まず育てる努力を懸命にしていきたいと日頃から思っているが、それが、なかなか難しい。

 

 

たまに飼い主のご家族とお話にするのが、”治れ”と思ってやってください、と冗談半分にいう時があります。半分は本音です。ご家族の熱い気持ち、それはどんなお薬よりも強力にそして、優しく作用してくれるはず。そして、医療は、獣医療はそれを補助するものであるはずです。その熱い気持ちに応えるべく、僕らは日々、”氣”を超える進歩を目指しているわけです。

 

 

 

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