狂犬病予防接種集合注射
もうすぐ4月です。
われわれ獣医師にとって、非常に重要な任務である狂犬病接種の時期がやってきます。
日本では、僕たちの先輩獣医師と国が過去に撲滅させることに成功しているので、
現在では、なじみの薄い病気になっています。
でも、この狂犬病という病気、いまだに世界中で流行している伝染性疾患です。
インターネットの普及によりグローバルが叫ばれている昨今、日本に再び入ってくる
おそれがあるのも事実です。
しっかり、接種してください。
”どうせ、日本には無いから”とは言え、今の狂犬病予防注射接種率は、残念なことに
30~40%前後と言われています。
集団免疫という言葉があります。
意味は、もし、その母集団にとある感染症が入り込んだとき、
感染拡大を予防するために必要な接種率です。
その接種率は70%以上とされています。
現在、”どうせ、日本には無いから”というのは正しいのでしょうが、この低い
接種率の状態で、狂犬病ウイルスが入ると感染が広がるという恐れをはらんでいます。
犬を飼っている方は、狂犬病予防注射の接種をよろしくお願いします。
集合注射に出向するため、下記の日程で、当院は休診となります。
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い申し上げます。
4月6日(金) 午前中
4月18日(水) 14:00~16:00
4月20日(金) 午前中
4月24日(火) 14:00~16:00
先日、目が赤く濁っているということで連れてこられたM.ダックスフンドさん。
目をシパシパさせて、なんだか痛そうにしているため、目の検査を行うと↓
目の中および角膜自体が濁っていて、眼内の視認性がとても悪い。
不安を感じつつも眼圧を測定すると76mmHgもある…
正常眼圧が10-20mmHgであることを考えると、緑内障という診断が頭を否応なくよぎります。
おまけに眼内が濁っている(ぶどう膜炎と言います)ので、この緑内障は続発性の可能性があり、
その時点で、視覚を失う可能性が通常より何倍も高まります。
緊急処置を行い、1時間後に正常眼圧まで下げましたが、眼圧を正常化しても目が見えてない…
眼底検査を行っても網膜自体に変化は見えませんが、どうやら、失明している模様…
眼圧40mmHgを越えた状態が7時間以上続くことで網膜にある視細胞が死んでしまいます。
病院に来るまでに7時間経ってしまったんでしょう。
その数時間後、再び眼圧が70mmHgまで上がり、結局、家族との話し合いの結果、義眼手術となりました。
どうやったら、この病気を早期発見できるんだろう?
ワンコの眼圧は朝上がりやすい(人間と一緒)と言われているので、
毎朝、アイコンタクトを取るようにしてみてください。
犬の緑内障の発生率、文献によってまちまちですが、
100頭に1頭
とも言われています。
残念なことに、失明率がとても高いんですが、早期発見により何とかなるケースもあります。
目のシパシパした症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください!