術前手洗い
梅雨入りし、少しジメっとした気候がなんとも風情を感じます。
でも、この気候でおなかの不調を訴えるワンコが激増です。
体調管理、十分気をつけてくださいね。
体調管理以外に、忘れてならないのが、フード管理です。
この時期は、フード表面についている脂肪の酸化がかなり進みます。
いつものように大袋を購入し、それを1~2ヵ月かけて消費する…なんてことやるとおなかの調子を悪くさせてしまうかもしれません。
暑かったり、ジメジメした季節は出来るだけ小袋タイプのものに変えて、すぐに使い切るようにしてください。
どの動物病院でも何らかの手術を行っていますが、術前手洗いは非常に重要だというのを大学で必至に習いました(ちなみに僕は大学時代に外科学研究室にいましたので、なおさらです…)。
術前手洗いは、ブラシを使って必死に手指ならびに肘までをゴシゴシと擦り洗いを行っていました。
それが一番良しとされていたんです。
擦り洗いをすることで皮膚の深い部分に居る常在細菌がしみ出てくるため逆効果という論文の裏付けより、現在は、ラビング法を採用しています。
普通の手洗いを行って、最後に消毒用製剤を手指にすり込むだけです。
最初、えっ?これだけ?今までのは何だったんだ?という感じですが、慣れるとこんなもんか…という感じです。
人間自身、常在菌の塊ですから、それをどんなにキレイにしようったって無理があります。
もちろん、患者自身も菌の塊です。
術前術後の体調管理で感染しにくい体作りが重要ということですね。
余談ですが、今までは手洗いに5分近くかかっていたのに、今は数分でおしまいです。
5分の手洗いの最中に、”今日の手術はこういうところに注意しよう”とか”こういうことが予想されるなぁ”とか黙想できる時間帯で、それはそれで嫌いじゃなかったんですが…。
あのオペ前の自分の張り詰めた緊張感が懐かしい(笑)
もちろん、今も集中する時間を手術前に設けています。