暑くなる時節となりました。最近の太陽の元気さが違います。
連日の天気予報でも、夏日や真夏日といったキーワードが出てくるようになりました。
そこで気になるのがワンコの熱中症です。ニャンコはあまり熱中症になるというイメージはありません(むしろクーラーで体調崩すケースが多いです)。
ワンコの熱中症は人の熱中症とほぼ同じです。体温が体にこもって、動けなくなり、死に至るといった具合です。体の中で熱暴走が起こってしまうわけですが、気温が高いと起こりやすいです。気温以外にも基礎疾患を持っていると発症しがちです。
当院で気にしている基礎疾患は
・気管虚脱(特に短頭種(チワワ、シーズー、キャバリアなど))
・肥満体質
・甲状腺や副腎に機能異常を抱えている
・腎不全や糖尿病といった水分喪失性疾患
・血流による放熱しにくい心疾患
です。
これだけ書くと病気ほぼ全般といった感じもしますが、この病気に罹患しているからといって必ず熱中症になるわけではありません。また、外飼いのわんこが空調効いたペットホテルに預けて、お迎えの後に自宅に戻って外飼いにして熱中症を発症したケースも経験しております。
熱中症っぽい症状は
・呼吸音が荒い(耳障りなゼハゼハ音)けど、下の色は赤色(レンガ色のこともあり)
・体を触るといつもよりも熱い
・室温/気温が高い
というのが特徴です。諸条件がたくさんあるため、確実なことは言えませんが、上記所見が見られたら、まず体を冷やすことをオススメします。急激に冷やす必要はありません。お風呂のため水や水道水を使い、足先から体幹に向けて徐々に水をかけていきます。蒸散熱で体温が下がっていくはずです。同時にゼハゼハした呼吸音が落ち着いてくれば、第一目標達成です。その後、かかりつけ動物病院に電話し、指示を仰ぎます。病院では血液検査したり、輸液したりといった処置を行い、高体温後の離脱を考えて治療戦略を立てていきます。
ペット見守りカメラの設置やSwitch botなどを導入することで、宅内の環境を整えてみてもいいですね。
長引く半導体不足の影響で手に入らなかった超音波検査機器がようやく第3診察室に納品されました。
お待たせする時間が少なくなればいいのですが…
丁寧なわかりやすい診療説明をこの先も心がけます。診察後でもご不明な点がございましたら、受付でも承ります。
くるめ犬猫クリニック 奥井