空を見上げると心地よい青空が!!!
当院の眼科機材は角膜から網膜まで診察できるこだわり機器を揃えています。
通常診療ではなるべく負担のないように心がけていますが、どうしても検査が必要な場合は鎮静をかけて穏やかに検査を受けられるようにします。人医療だと歯科診療中の笑気ガス吸入のようなイメージです。無理に抑えると、呼吸がおかしくなったり、正しい眼圧測定ができなくなってしまいます。
動物の眼科診療の特徴としては数値化できるものが少なく、多くは画像情報から病気を判読していきます。
スリットランプという眼科医院でよく見られる機械がこちらです。
上が据え置き型で下が手持ち型です。
どちらにも利点がありますが、メインは手持ち型をよく使います。機動性が高いため、検査を受ける側にも無理な姿勢を強いずにすみます。特殊レンズを組み合わせると網膜の観察までできる優れものです。かなりの威力を発揮します。なくてはならない検査機器ですね。
この機械を用いて検査した画像がこちら↓
続いて眼圧計です。
全ての動物の正常眼圧は10−20mmHgです(たしか…)。2種類あるのは猫用に特化したものを揃えております。猫さんの眼圧値の判断はやや難しいところがありましたが、この機械の導入により納得いくデータが取れるようになりました。
点眼麻酔が必要な検査機器もありますが、当院で採用しているものは点眼麻酔ナシで行えます。
Made in Finlandです。Finland製って珍しいっ!北欧デザインって感じもしなくもない??
次は眼底検査機器です。
数種類のレンズを使い分けて観察します。
眼底という部分は動物の体を傷付けずに血管系と中枢神経系を観察できる唯一の場所です。高血圧の初期病変や脳神経疾患の発見に用います。
観察者から見た犬の網膜はこのように見えます↓
一見すると簡単そうですが、検査結果の判読には熟練を要します。この部分は情報量がかなり多いため、眼科診療にのみならず一般診療時にも活躍します。人医療ではIT大手のGoogleが眼底検査写真の判読にAIを用いる実験を試みているニュースもあったりします。
重要かつ情報量の多い検査なのですが、判読にはそれなりの経験値が必要です。新人獣医師の藤本先生に日々検査のコツを繰り返し伝えています。彼もそのうち、スラスラとできるようになります。
この機械はOCT(光干渉断層撮像検査)といいます。
(プライバシーのため画像に一部ボカシをかけています。)
眼球はどれも正面からしか見ることができませんが、これは目を取り出さずに横から見ることができます。
例えば、高齢の猫さんがワクチンに来てくれましたが、ワクチン前の眼底検査で高血圧が発覚しました。OCTで撮像してみると
網膜がグネグネと波打っています。そして、降圧剤を投与して1週間後は
かなりの改善が見られます。高血圧はサイレントキラー(静かなる殺し屋)とも言われていますので注意が必要です。また、高血圧により、腎不全などの症状も合併してきます。
このOCTという機械は角膜の厚みや病変の深さ、網膜の層構造の判読にも用いられ、心強い味方です。
当院で用いるメジャーな眼科検査機器は以上になります。
光を用いる検査が多く、診察中真っ暗になったりします。またご家族が同室していると目をキョロキョロ動かしてしまうので、たまに診察前に預かって先に検査するケースもあります。
どの分野の診察にも言えることですが、ご質問があれば、診察中お伺いください。都度の対応を心がけます。皆様のご協力、心より感謝いたします。そして、日々の診察の診断精度、治療精度向上に日々勤めていきます。
つみかさね
一球一球のつみかさね
一打一打のつみかさね
一歩一歩のつみかさね
一坐一坐のつみかさね
一作一作のつみかさね
一念一念のつみかさね
つみかさねの上に
咲く花
つみかさねの果てに
熟する実
それは美しく尊く
真の光を放つ
(坂村真民)
くるめ犬猫クリニック
院長