2024.12.04 Wednesday

ブログ 

2023-02-04 06:20:00

学会日記と硝子体手術

寒い日と暖かい日が入り混じってきました。

少し早いけど、春を意識できるようになってきました。

 

 

先週末、お休みをいただいて、眼科手術学会へ参加してきました。

開催地の東京。

このドンドン膨張していく街は衰え知らずで、パワーをたくさんもらいました。

 

コロナ禍は学会がオンラインでしたが、徐々に対面での開催が再開されていくんでしょう。個人的にはオンラインでもいいんじゃない?と思っている一人だったりします。

 

 

学会の名称通り、オールジャンルの眼科手術がトピックで挙げられて議論が交わされます。犬の目と人の目は比較的構造が似ていたりするので、大まかな手技はとても参考になります。人医療は人口比率からも動物医療よりはるかに症例数が多いので、人医療の知見は“これだとこうなる傾向にある”というある程度の未来予測が立てやすかったりします(もちろん、全てに当てはまるわけではありませんが)。

 

犬の網膜剥離は人医療で言うところの重症例(巨大裂孔原性網膜剥離)で来院することが多く、診察室で診断された時点で、数日以内に手術するかどうかの決断を迫られるケースがほとんどです。時間経過とともに剥離した網膜が機能不全に陥ってしまうからです。下の写真は犬の巨大裂孔原性網膜剥離の眼底写真です。

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手術は全身麻酔で行います。まずは白内障手術を行い、水晶体を眼内レンズに置き換えて眼球後部のワーキングスペースを確保します。

学会日記と硝子体手術

 

ワイドビューイングシステム(当院ではResightを採用しています)で眼球後部へと入っていきます。ボロボロになった硝子体を硝子体カッターという器具を用いて切除吸引していきます。

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パーフルオロンという比重の重たい液体を使って網膜を引き延ばしていきます。

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パーフルオロンは網膜の引き伸ばしにのみ用い、今度はパーフルオロンを除去しながら、シリコンオイルへと置換していきます。

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オペ時間は片眼で60−90分くらい。もっとかかることもあります。網膜を復位できると思ったのに、実際、網膜の萎縮が強く戻せないことも経験してます。犬の網膜剥離は人医療の重症例と言われるように、かなり難しい手術です。視機能回復を望む場合は、できるだけ早期発見早期オペが理想です。ただ、診断が難しく、発見も難しい疾患であることも認識しています。

 

 

難しい話をしたのでちょっと息抜きのお話を。

先生、ちょっと早いけど!って言われながら、ご家族からバレンタインのチョコをいただきました。チョコレートとオレンジの組み合わせは何て美味しいんでしょう!オランジェットっていうんでしょうか?ありがとうございます。

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くるめ犬猫クリニック

院長 奥井