こんにちは。
暖かい春の風が気持ちよくなってきました🌸
3/29(月)、3/30(火)、3/31(水)の診察は、獣医師1名での対応となります。
そのため、長くお待たせする可能性があります。
大変ご迷惑おかけしますが、できる限りスムーズに診察できるよう対応致しますので、ご了承ください。
対応獣医師に関しましては、獣医師カレンダーにてご確認ください。
くるめ犬猫クリニック 事務 渡辺
今年は桜の開花が早く、まさか卒業式シーズンに満開の木があるとは思いませんでした。入学式シーズンには葉桜が見られたりして、それはそれで新しい門出に元気な葉桜もいいものかもしれません。
何にしても、元気はとても気持ちいいものです。
当院には失明した(しそうな)伴侶を連れてくるご家族が多く来院します。治せそうなもの、治療法が無いもの、などなどたくさんあります。
治療成績100%を目指しておりますが、100%の治療成績はこの世には無く、治療(内科も外科も含みます)したけど、うまくいかなかった例は存在します。そうなると失明というものが現実化してきます。
失明した場合、伴侶の状態(動作/心の状態、その後の目の状態、他の臓器への影響など)、ご家族の期待のロス(自分たちの伴侶に対する期待、伴侶の今後の期待、病院に対する期待、治療に対する期待など)、病院の期待のロス(治したい気持ち、次の患者へつなげる期待、看護側の疲弊など)といった大きな負の要因が取り巻いてきます。
全てがうまくいった場合は、とにかく明るく、本当によかったなぁという気持ちが充満し、治療にチャレンジしてよかったなぁや、次もまた頑張ろうとなります。
随分前に医学会で拝聴した著名な医師の話です。
病気というのはその人の肩に1トンの岩が乗っているもの。
医療は、その岩をメスや薬でもって砕きにいき、砕ければ、その方は治るのですが、中にはメスや薬では歯が立たない岩があります。
その時、我々はどう行動すべきでしょうか?治すだけが医療でしょうか?治らない場合、みんなでその岩を持ち上げて、その人を楽にしてあげるのを手伝うのも医療ではないでしょうか?
この発言は衝撃でした。治すのが医療で、それ以外は医療(病院の仕事)じゃ無いという線を引いていた自分が恥ずかしくなりました。
自分の力でいろんなことをやりたいから治療に挑戦するのは、応援すべきことで、その挑戦を全力で支えるのも医療。治療がうまくいかなかった時、残ってしまう病気(岩)をどうやってか動かす方法を考えるのも医療。
視覚という貴重な器官を失ってもその伴侶に、なおもなんとかしようとする熱い気持ちがある限り、様々な工夫を持ってそれを手伝っていきたい。それが大事だと。
そしてどんな状況においても自分の心に留めているのは、冒頭で書きました”元気”です。失明してもその子は元気で過ごす価値があります。
治療しない選択や治療したけれどうまくいかなかったなど、失明の先にあるご家族の肩落としには責任を感じますが、さらには私たちはその子の元気が気になります。
諦めず、何かできることは無いかを探し、絶対積極の心で対応していきたいと願っていますし、そうありたいと日々の診察の中にある小さなヒントに耳を傾けています。
くるめ犬猫クリニック 院長 奥井寛彰
こんにちは!
段々と暖かい日が多くなり春が近付いて来ました⸜🌷︎⸝
みなさんノミ、マダニの予防は始めていますか?
今年からワンちゃん用のノミ・マダニ駆除剤にもスポットタイプが加わりました!
今までの経口薬は1回の投薬で3ヶ月だった効果が、スポットタイプでは最大4ヶ月間効果が持続します。
速効性、確実性が高いお薬で、独自開発されたフルララネルという成分が主剤となっています。
このフルララネルは日本製で、高用量試験でも安全領域が広いとされています!
(通常の5倍量を投与しても安全性が確認されています!)
認可の取れた「動物用医薬品」なので、安心してお使いいただけます☺️
被毛がベタつくのが嫌だ!という方には今まで同様、経口薬もご準備しておりますので、受付にてお申し付けください🙌
ネコさんのスポット剤も1回の投与で3ヶ月効果が続きます。
毎月の投与ではないので猫のストレスも軽減できます😸
また新しいスポット剤ならば、回虫・鉤虫という内部寄生虫にも効果があります!
(内部寄生虫に対しての駆除効果は継続的ではありません)
こちらも詳しくは受付で気軽にお尋ねください!
春のお散歩に向けて、予防は万全に行いたいですね!🤗
くるめ犬猫クリニック
動物看護師 古賀
このシリーズも大詰めを迎えました。
白内障の治療というと手術を思い浮かべる方が多いと思います。確かに手術もいいと思います。ごく一部の白内障例を除き、手術しか視機能を回復する方法はありません。原因編で記載しましたように、原因についてよく考えて手術を踏み切ります。
大きく分けて、視機能を回復させるための外科療法、炎症を抑えるための内科療法があります。
内科療法を選択した場合、見えないけれど、白内障から発生する眼続発症を回避する目的で、消炎剤を点眼します。白内障が起こるとぶどう膜炎が発生しやすくなるからです。1日1-2回の消炎剤点眼を行います。悠然と構える形です。うまくいけば、眼続発症を抑えれますし、抑えれない場合もあります。目の中に出血が見られたり、目が拡大してきたりします。眼続発症を発症して痛みを伴う場合、眼球摘出や義眼などの外科療法、鎮痛剤服用の内科療法を選択していきます。
外科療法(手術)を選択した場合、見えるを目標に、さらに、術合併症を抑えるように点眼薬を処方します。手術は全身麻酔下で行い、片目だいたい30分以内です。人間の手術と似たような手法ならびに器具や機械を用いて行います。手術用顕微鏡(Zeiss社Lumera700)、超音波乳化吸引機(ALCON社コンステレーション)、粘弾性物質、眼内レンズ(メニわん社DVS15)を主に用いております。麻酔覚醒後から術後高眼圧に備えて、眼圧をはかります。高眼圧になる例の多くは術後3-4時間でそれ以降は減少に転じます。全ての例で眼圧が上昇するわけでありません。翌日も眼圧測定、手術時に作成した角膜創口の安定性、眼内の炎症の程度などなどをチェックします。術後のエリザベスカラーは必須になりますが、一日中するとワンコも疲れてきますので、散歩や食事といったご家族が目を掻かないよう見れる時間帯は外してもらうよう伝えています。過去にエリザベスカラーをつけっぱなしにして、首の周りにひどい皮膚病を起こしてしまった例がありました。とても申し訳ないことをしたなぁという教訓があるため、時々外してもらいます。
手術中風景
超音波乳化吸引機で白内障成分を吸い出し、眼内レンズを入れる手法が取れない例もあります。水晶体が脱臼する例が代表例です。その時は水晶体摘出へと進みますが、水晶体を摘出しても目が見えなくなるわけではありません。手元が見えにくくなる印象ですが、多くのわんこはその環境に適応して通常の動きを取り戻してくれます。
手術の合併症は内科療法と同様です。目の中に出血が見られたり、目が拡大してきたりします。手術例では水晶体成分はすでに目の中にはありませんので、痛みに関してはそれほど強くない印象です(全例が痛がらないというわけではありません)。けれど、せっかく取り戻した視機能を再度失ってしまうため、見ている方は辛いです。ただし、失明してしまったからといって全てが終わりではなく、内科療法にも言えることですが、ロービジョンケア(視機能が低下した後のケア)を一緒に考えます。ぶつからないように様々な工夫について、いろんなご家族からの案がありますし、この先も新しい案は浮かんできます。みんなでその子をフォローします。手術前に想像していた幸せを違う形で一緒に作ります。
最優先で考えるべきことは病気が主語ではなく、そのワンコが主語になるように、そして、そのワンコの福祉を考えて、最適解を探していきます。いくら話し合っても結論出ない時もあります。でも、その話し合いこそが大事な時間であり、内科を選択したり手術を選択したりした時に活きてくるものと信じて診察しております。
これでこのシリーズはおしまいです。
学問は進歩していきますので、アップデートがあれば記載していきます。
くるめ犬猫クリニック 院長 奥井寛彰
先日、午後お休みをいただいて、九州盲導犬協会をお邪魔しました。
目的は盲導犬の卵たちの目の診察です。眼球の各構造に異常を認めないかどうかを検査します。ほとんど問題ないワンコばかりですが、まれに異常が見つかったりします。
元気盛りで全然じっとしてないんじゃないか?と思ってましたが、ある程度訓練されたワンコたちばかりで、ちゃんと目の診察をさせてくれます。なんてお利口なんでしょう。
診察中に協会の方といろんなお話をします。その中の一部を抜粋すると…
発出された非常事態宣言で、視覚障がい者の方への貸与が遅れる事態が発生してしまったそうです。視覚障がい者の方は手でいろんなところを触ることで確認しながら生活をされているため、早く盲導犬を届ける必要があるのですが、それが叶わなかったりするとのことで、お話を聞いて、心痛めました。また、通常の社会啓蒙活動もできず、滞りが生じているとのこと。
社会がいろんな方向へ注意を向け、皆が充足された生活を送れるよう今後も努力し、改善し、実行に移していきたいと思った1日でした。
そういえば写真撮ったことないなぁと思い、最後に写真を撮らせてもらいました。
お前たち、訓練頑張れよー!
九州盲導犬協会へのアクセスはこちら
くるめ犬猫クリニック 院長 奥井寛彰